原発とは何か(1)2021/05/04 15:22


政府の態度が曖昧でよくわからない原発。

TNでのT氏の説明から要点を記述して、何がどうなのか、考えてみよう。


先ず、「原子力学会は、原子力を学問する場であり、推進するものではない」。

     「推進するのは政府とか、電力会社など」

     「原子力学会が利権化してはいけない」


被爆には安全はない、許容するかどうかだけ。

     例えば自動車の場合、毎年交通事故の死者が5000人、負傷者が
     80万人出る。

        「それは安全ですか?」

     ならば自動車は危ないからと、使用禁止にしたか。

        それとも速度を40Kとか50Kにしないで、5Kにしたか。

     どちらもしていない。その死傷者の数を許容している。


それと同じことだと言う。自動車について安全かどうか議論していない。そうではなく、許容するかどうか。

     自動車の場合、1年間の死者数が1万人を超えた時、大騒ぎになっ
     た。社会が耐えられなくなったということ。

     その後、年間死者数8千人が境界線だろうということになった。


で、被爆についても、年間死者数8千人が境界線になっている。

     それより少ないと 「望ましくないが社会的に耐えられる線量」
     それより高いと  「社会的に耐えられない線量」
     に区分している。


     CTスキャン、レントゲンも同じ。(昔は小学校で毎年やっていたレント
     ゲン検査で、結構な数の児童の肺がんが発症していた。それで検査が
     6年に1度になって、児童の肺がん発症数が大幅に減った。今は検査
     は任意になっていて、受けたい人だけ受けるそうだ)

     「小学生40万人に毎年レントゲン検査したら、数千人は肺がんが出る。
     そういうものです」とT氏。「検査で見つけること、被爆で発症するこ
     と、この兼ね合いです」


原発は安全か。

     なぜ原発をやめないか。。。

     自動車を例にあげると、毎年5千人が死亡しているのに動いている。

     安全を言うなら、自動車をやめる、CTスキャンをやめる、スーパーの
     食品(有害物質が入っている)もやめる。

     だが私たちはそういう生活はできない。許容するかどうか、だ。


代替はあるか。

     例えば、電気釜が爆発して1年に3人の主婦が死亡した。するとその
     電気釜は売れない。他の「爆発しない」電気釜があるから。


自動車は代替がない。だから許容で行っている。


では原子力に代わるものはあるか。

     石炭・天然ガス等々、死者が少ないものがある。


被爆の許容の限界はどうか。

     国際的基準が1年ミリシーベルト。皮膚及び水晶体は50ミリSv。

     元素ごとに、臓器ごとに数値がある。それを組み合わせて数値を出し
     ている。


健康とは何か。甲状腺が癌になっただけで人間にとってダメ。

     平均的に悪い元素もあれば、どこかを致命的にダメにするものがある。

     そういうことを考慮して全ての数値を計算して出しているのが今の
     規制の数値。


トリチウムだけでは死なない。が、他のものも一緒にある。生活していて、トリチウムだけ受けるということはあり得ない。


     これはどうですか、と聞かれた時、膨大な資料を持ってきて、幼児の
     場合は、とか、妊婦の場合は、と説明しなければならないから大変な
     ことになる。


そういう意味で素晴らしいことになっているのが食品安全の基準。


     今は、母親が何も考えずに幼児や赤ちゃんの食物を買って大丈夫。
     一つ一つは大丈夫でも合計したらどうか、私の赤ちゃんの年齢は~
     と、計算しなくても良くなった。それは日本でのこと。

     食中毒や薬物中毒が、大幅に減った。


大丈夫な理由は、そういう膨大な数値を計算して表を作って、これだという数値が出てきて、その100分の1にした。だから日本の食品で赤ちゃんがどうかなったということは殆ど無い。

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