露が中共に平手打ち(1)2022/01/24 23:11


T氏が、露のLブロフ外相が記者に語った発言を解説していた。


「中露の関係はいかなるものにも影響されない。その発展は欧米の同業の見解では決まらない。我々は誰かに対抗しようとして中国と仲良くしているのではない」


     これは敏感な発言だ。その為、中国の第一線の官製メディアは一斉に
     沈黙した。ただ一部の非主要なメディアだけが静かに転載したが、
     何の評論もなかった。


     なぜ第一線の官製メディアが一斉に見て見ぬふりをしたのか。


理由は簡単で、ロシア側の発言がまたも中共に平手打ちを食らわせるのに等しいからだ。それも米国やNATOの面前で平手打ちをしている。


     と言うのも、この発言がなされたタイミングに注目。ロシアが1月10日、
     12日、13日にそれぞれ、米国、NATO、欧州安保協力機構
     (OSCE)と初めての正式な協議を行ったが、いずれも具体的な進展が
     得られなかった。


     そんなロシアが会談に行き詰ったタイミングで投げ出されたのが
     「中露関係」のカードだった。これは非常に興味深いことだ。


Lブロフ外相のその発言について見てみよう:

先ず、「中露関係はいかなるものにも影響されない」という発言。


     これは過去の中露関係の独立性を強調している。つまり、米中関係に
     劇的な変化があろうと、それは中露関係には影響を与えない」


     言い換えると、「あなた方は好きなようにして、私は関係ない」と言って
     いるのだ。


続いて、「その(中露関係)発展は欧米の同業の見解では決まらない」という発言。


     これはつまり、「中露関係の未来に関しては、西側がどう考え、何を
     要求しようと関係ない。我々は自身のニーズに基づいて中国と関わっ
     ていく」と言っているのだ。


最後に「我々は誰かに対抗しようとして中国と仲良くしているのではない」という発言。


     これは最も重要なポイントになる。つまりロシアは再度欧米に対し、
     「中露関係は軍事や政治同盟ではない。ロシアは欧米に対抗する為
     に中国と仲良くしているのではない。中露関係が欧米の戦略的利益を
     損なうことはない」という明確なメッセージなのだ。


     見ての通り、ロシア外相のこの発言は、実際にはPーチンが公言して
     いた「ロシアと中国は同盟国ではない」というのと基本的に同じだ。


ではなぜ、ロシアはこのタイミングでこの発言をするのか。


     その目的は、欧米や中共のそれぞれに対して、メッセージを伝える為
     だ。


欧米に向けられたメッセージとは、つまり「我々と中国の関係は悪くないが、しかしあなた方を敵に回したくはない。だからあなた方も我々を敵だと見なさないで欲しい」だ。


     これは今後の重要協議を行う前に、事前に欧米の懸念を払拭し、
     ロシア側の誠意を示す為だ。


     もっと突っ込んで言えば、このメッセージは欧米に対し、「いざとなった
     ら、ロシアは戦略的に中立を保つ」と手の内を見せているのと同じだ。


そして中共に向けられたメッセージも非常に明白だ。


     つまり、「我々の関係は独立したものであり、我々は何も西側と対抗す
     る為にあなた方と仲良くしている訳ではない。だからあなた方も我々を
     西側対抗の戦車に縛り付ける必要はない。あなた方が西側とやり合い
     たいのなら、どうぞご勝手に。我々は関わらない」と中立を伝えている
     のだ。


中共の覇権争いの戦略的意図は、今では完全に露呈している為、欧米をとことん怒らせている。それ故、ロシアと仲たがいするだけの資本などもはや持っていない中共は、ロシアを仲間に引き込むという高望みはしないが、せめて米露が同盟を組むことだけはやめて欲しいと望んでいる。


―――Tランプ政権時代には米国はロシアにかなり接近していた。


この点について、Pーチンは良く知っている。


     そして中共が厚かましく中露関係を「同盟国ではないが、同盟国に
     勝る」と頻繁に宣伝していたことが、欧米のPーチンに対する態度や、
     米露関係の実質的な進展にまでマイナスの影響を及ぼしている。


その為、Pーチンがここで立場表明をしないと、中共の言っていることを黙認していると見なされかねないので、Pーチンは立場表明をせざるをえなくなったのだ。


同時にKンペーに対しても「私の名前を使って、私の利益に損害を与えるな」と注意を促しているのだ。