宇宙の新しい戦争(1) ― 2021/05/11 13:24
中共の制御不能になったロケット21トンの残骸が、どこに落下してくるのか、危惧されていたが、印度洋に落ちたのか。
日米韓独の軍が対処法を討論したそうだが、当の中共はずっと逃げて
いた。
普通の国なら、「申し訳ない。解明に努力している。協力をお願いしま
す」とでも言うところだが、武漢ウィルスの時と同じ、知らんぷり。その
うちに他国のせいにするんじゃないか、と思っていた。
NSHによると、宇宙が騒がしいと言う。
以前からA氏が警告していたことを、私は忘れていた。「ミサイルが
海の向こうから飛んでくるんじゃありません。頭上から私たちを狙って
います」
NSHが宇宙の現状を説明していたので、知っておこう。
うまくまとめられなかったので、全容を書き出してみる。
脅威となっているのはロシアと中共の宇宙開発。
中共は米国が手を休めた宇宙に目を付けて、宇宙を支配すれば地球
を支配できると開発を急いできた。
対衛星攻撃の為の戦略的支援部隊を設立。
敵の衛星の破壊、妨害、干渉を目的とした理論を開発し、レーザ
ー、衛星ジャマ―、地上ミサイルを含む 対衛星兵器(ASAT)
などの対宇宙能力技術の獲得を加速させている。
――世界中の学者や研究員たちを高額の報酬で取り込み、彼ら
から技術情報を集めてきた
中共は近年で少なくとも3回の対衛星実験を行っている。
最も有名なのは2007年のミサイル攻撃実験。弾道ミサイルを中国の
人工衛星に直撃させ、3000個以上の破片が宇宙空間に投げ出され
た。
この宇宙空間での運動エネルギー兵器のあからさまな使用は、国際
社会から非難された。そして地球の軌道上の破片の量を10%増加さ
せた。
米国は1985年に最後の対衛星実験を行っている。
これらの実験ではターゲットを上方から攻撃し、基本的に地球へ向かっ
て押し出したので、約300個の破片は大気圏に戻った時に燃えてしま
う。
それでも破片が大気中から消えるまで17年もかかったそうだ。
中共の実験はそれとは違う。
衛星を横から叩き、米国の10倍以上の破片をより高い宇宙軌道上に
まき散らした為、その多くは数世紀とは言わないまでも数十年にわた
って地球を取り巻く軌道上に留まることになると言う。
これは中国の破片群に含まれる3000個以上の破片のどれもが「衛星
キラー」になる可能性があり、何千億ドルものリスクがいつでも発生する
可能性がある。
2008年には中共が初めて宇宙空間での船外活動を成功させ、宇宙飛行士が40kgの超小型衛星を宇宙に解き放った。
時速1.7万マイルで飛行するこの衛星は、放出から4時間後に国際
宇宙ステーションから約27マイルの距離を通過したそうで、衝突すれ
ばステーションは一瞬にして粉々になり、乗員は全員死亡するところ
だったそうだ。
さらに心配なことは、打ち上げ直後に中共が「衛星が予定した軌道から外れてしまった」と発表したこと。誰がターゲットになるか誰にもわからない、という状況だった。
宇宙の新しい戦争(2) ― 2021/05/11 15:30
ロシアは2015年に空軍・宇宙司令部を創立し、中共以上に頻繁に対衛星実験を行っている。
2019年12月にはロシアの衛星コスモス2542号が米国の偵察衛星
USA-245を長時間追跡し、宇宙空間での距離が150キロ以内に
縮まることもあった。
不思議なことにコスモス2542号からミニ衛星コスモス2543号が放出された。
マトリョーシカ人形のように、中から小さいのが出て来たのだ。そして
米国の衛星と絡み合ってばかりいたと言う。
そしてさらに不思議なことに、2020年7月このマトリョーシカ人形のような衛星コスモス2543号が時速400マイルを超える弾丸を発射した。
ロシアによると、それは巡視衛星なので、他のロシアの衛星との接近は
珍しいことではないと言うが。
米国宇宙司令部は、コスモス2543号は巡視するだけでなく、そういう
異常な行動によって宇宙での危険な状態を引き起こす可能性があると
考えている。
コスモス2543号が放った弾丸は、全くの兵器システムかも知れない
のだ。
大型衛星が小型衛星を軌道に放出することは珍しいことではなく、国際宇宙ステーションから展開されることが多い。
例えば米空軍の謎多きSペースプレーン「X-37B」は2017年から
2019年にかけて、5回目の宇宙旅行で小型衛星を放出した。
ロシアの実験が特別なのは、コスモス2543号が軌道上に放出したものが何であれ、その高速な動きが監視衛星よりもはるかに危険なものであることを示唆している点だ。英米は兵器のテストではないかと考えている。
米国にも外国の衛星を密かに訪問して独自の宇宙兵器を開発することは
あっても、それほど乱暴な行為に対しては憤ると言う。
宇宙の新しい戦争(3) ― 2021/05/11 15:52
現在地球の軌道上には、放棄された衛星が3000基、直径10cm以下の宇宙ゴミが約3万4000個ある。
この現実的なリスクは、いつでも世界各国の衛星を脅かし、世界経済
に打撃を与える。
米国は、人工衛星や軌道上の破片を追跡する監視システム「Sペースフェンスプロジェクト」を開発している。
追跡能力を現在の2万基程度から10万基に増やして脅威の源を正確
に把握しようとしている。
1963年に締結された「部分的核実験停止条約」と1967年に発効した「宇宙条約」はいずれも宇宙における大量破壊兵器の拡散を制限することを目的としている。
宇宙資産の安全に関する国際的な理解や合意は、まだ世界的に認め
られた法律には至っていない。
また、レーザー兵器などの対衛星兵器を宇宙空間に展開・使用する
ことを防ぐ為の国際法上の規定もない。
しかし、人工衛星がもたらす脅威は全ての国が真剣に受け止めなければならないものであり、それが米国宇宙軍の急速な成長を促している。――T政権が始めたことだ。
先にイランによる報復(Sレイマニ将軍殺害への)の米軍基地爆撃が
あったが、米宇宙軍はミサイル発射の状況を事前に知らせ、米軍の死
者を出さなかったそうだ。
そういうミサイル警告ミッションは、毎月数十回行われていると言う。
2020年には少なくとも1000回のミサイル発射の検知・追跡をして
いて、地上の資産と宇宙の資産との密接なつながりを示している。
2020年3月米宇宙軍は、戦闘行動中に敵の衛星信号を妨害できる新しい対衛星通信システムを起動した。
2020年8月米宇宙軍は、宇宙作戦理論文書を発表し、宇宙戦力が米国の軍事力の重要かつ独立した構成要素であることを明確にした。
米宇宙軍は抑止力と致死力を持つべきであり、米政府や統合戦力の
意志決定者に、これらの能力からなる戦争選択肢を提供できなければ
ならないと強調していた。
2020年10月、宇宙軍は軌道戦闘部隊を設立した。
彼らの任務には、謎の宇宙往還機「X-37B」を操作し、極秘任務を
遂行することが含まれている。
米国だけでなく、世界の全ての国が宇宙資産に大きく依存している。
GPSによる測位・通信・データ伝送、精密兵器の誘導・監視・偵察
などに衛星は欠かせない。
軍事衛星が攻撃された場合、即座に直接地上での衝突が起きる可能性が非常に高くなる。露・中・米・印・イスラエルはそれぞれ独自の「衛星キラー」システムを開発している。
しかし、誰がどこでどれだけ近づいてどのような活動を行うかを規定す
る法律はない。
その為どのような実験でも誤解を招く可能性があり、危険を招くリスク
が高まる。
宇宙活動の自由は海洋の自由と同様に、責任ある国が悪者を抑止して行動規範を実施できるかにかかっている。そしてそれは軍事力に依拠する。
米国宇宙軍の誕生は、こうしたニーズに応えるための自然な成り行き
と言えるだろう。
この重要な任務を担っているのは米国だけではない。
NATOは宇宙を作戦分野として認めていて、英も宇宙司令部を設置
し、日本も宇宙に特化した防衛軍を設置し、仏空軍も宇宙防衛司令部
を設置している。
静寂の宇宙分野はもはや避けられない新しい戦争の領域となっている。
しかし、自由世界の宇宙軍の使命は宇宙で戦争をすることではなく、
宇宙での紛争の拡大を防ぐことだ。
その為の裁量の方法は、抑止力が効かなくなったときに戦い、勝つための準備をしておくことだ。