危険は警告されていた-15 ― 2022/02/01 00:47
今、日本で起きていること、世界で起きていること、その理不尽なことが起きている中に危険が潜んでいることを感じている人たちは少なくない。
なぜそんなことが起きているのか、どのようにして起きているのか。
一部知りつつ漠然と危険に感じていることを、何とずっと前に明瞭に警告
していた人がいた。
――― 続き ―――
何年か前、私が或る会合に出席した時、「鉄のカーテン」を超えて逃げて来た、共産主義の難民数人が、自らの体験を語る為に招かれていた。
聴衆から出た質問のいくつかは、たいそう的外れなものだった。
そこで、ついに難民の一人がこう言った。
「あなたたち米国人は、共産主義下の生活というものを勘違いしてい
ますね。共産主義者の兵士がライフルと拳銃を持って街角に立ち、人々
を列に並ばせている姿を想像しているようですね。
それは違います。勿論、以前はそういうこともありました。兵士も大勢い
ましたし、処刑や強制収容所への送還もありました。
でも、現在ではあまり目にしません。あからさまな暴力行為は、1年か
1年半ほどしか続きませんでした。
そこで、反共産主義者たちは一掃されました。
今では、一見すると非常に平穏で自由な光景が広がっています」
男はこう続けた。
「私は国内最大の都市に住んでいました。街の大きな公園の向かいに
は、美しい教会がありました。
宗教が迫害されているかどうかを見に来る米国人ツアー客の為に、
国中で一つだけ教会を開放していたのです。
私だってその気になれば、その公園へ行ってベンチの上に立って、共産
主義に反対する意見を述べることだってできたのです。
通りを渡って教会に入り、膝まづいて祈ったとしても、逮捕されたり妨害
されることもなかったでしょう。
でも、実際にはそんなことはできませんでした。
もしそんなことをしたら、翌日に政府の手先が動き始めるからです。
フードスタンプの配給が減らされ、
衣類と靴の配給が減らされ、
住居のレベルも格下げされることになったでしょう。
さらには仕事も、専門的な仕事から、低賃金の肉体労働に配置転換させら
れたでしょう。
共産党が国民の経済活動に余りにも大きな影響力を持っていた為、理屈ではできるはずのことさえ、誰もやらなかったのです」
そして彼が言った言葉が今も忘れられない。
彼はしばらく沈黙し、私たちの気分を害さないように言葉を慎重に選び、こう言った。
「私は『自由の国』を求めて米国へ来ました。しかし、ここでも全く同じこ
とを目の当たりにしたのです。
この国の誰もが、共産主義者の浸透について、何かしなければならない、
立ち向かわなければならないと思っています。
しかし、誰も何もしない。ただ大人しくしているだけです。
なぜなら、もし声を上げたり、公然と立ち向かったりしたら、ビジネスに悪影響を及ぼすのではと恐れているからです。
顧客を失うかも知れないし、
職を失うかも知れない。
或いは、政府から定期的にお金をもらっていて、本来反対すべき人々や制度に依存しすぎてしまっているかも知れません」
彼はこう続けた。
「そういう人たちは、自ら進んで鉄のカーテンの向こう側に行ってしまっ
たのも同然です。
既に共産主義者に乗っ取られているのです。
ただ一つ違うのは、彼らは少なくとも本当にそこから出たいと思えばまだ
出られるが、以前の私たちにはできなかったということです」