種の保存を脅かす-3 ― 2022/01/02 17:48
―― 続き ――
「ハッキング可能な動物」それが私たち人間ということになる。
もしハッキングする力が21世紀のスターリン(マルクス主義者、全体主義者)の手に渡れば、人類史上最悪の全体主義政権が誕生することになる。
21世紀のスターリンになりたいと応募している者は既に数多くいる。
あの国を連想してみよう。
誰もが生体認証ブレスレットを身に付け、24時間体制で血圧、心拍数、
脳の活動を常時監視される。
ラジオで「偉大な」指導者の演説を聞いている時に、あなたが何を感じて
いるかがわかるのだ。
拍手したり笑顔を作っても、もし怒りの感情が検知されれば、翌朝には
収容所行きになる。
こうなると、このD会議のような場所にいる大金持ちや権力者(この会議の主宰者のことを指している)も安全ではなくなる。
Jェフ・Bゾスに聞けばわかる。スターリンのソ連では、国家は誰よりも
共産主義エリートを監視していた。
―――仲間内を最も警戒していたということだ。
これからの監視体制も同様。ヒエラルキーの位置が上がれば上がる程、
監視の目は厳しくなる。
―――ライバルを見張り、その影響力を削り取る。
「あなたは自分の会社のCEOや社長に対する本心を、知られたいですか?」
それを望まないでしょう。
従って、このような「デジタル独裁政権」の台頭を防ぐことが、エリートを含む全ての人間の利益になる。
もし「デジタル独裁国家」の成立を防げたとしても、人間をハッキングする技術が私たちの自由を蝕む可能性がある。
なぜなら、人間がAIに頼って判断することが増えれば、決定権は人間からアルゴリズムに移るからだ。
既に今日、何十億もの人々が、何が流行っているかを教えてくれるFB
のアルゴリズムを信頼している。
Gーグルのアルゴリズムは、何が「真実」なのか教えてくれる。NットFリ
ックスのアルゴリズムは何を見るべきかを教えてくれる。AマゾンやAリ
ババのアルゴリズムは、何を買うべきかを教えてくれる。
遠くない将来、似たようなアルゴリズムが、
どこで働くべきか、
誰と結婚するべきか、
就職できるかどうか、
ローンを組めるかどうか、
はたまた中央銀行(彼らが支配している)が金利を上げるべきかどうか、
判断してくれるかも知れない。
そして、「なぜだ?」と聞く者は、融資を受けられなくなる。
「なぜ中央銀行は金利を上げなかったのか?」と尋ねたところで、
答えはいつも同じ。「コンピュータがノーといっているからだ」
人間の脳には、生物学的な知識も計算能力もデータも十分備わっていないので、人間はコンピュータの判断を理解できない。
そして自由なはずの国でも、人は自分の人生を自分でコントロールでき
なくなり、公共政策を理解する能力も失う。
今現在、金融システムを熟知している人がどれほどいるだろうか。多くても1%くらいだろう。
20~30年後には、金融システムを理解できる人間の数は完全にゼロ
になるだろう。(これまで金融システムを作ってきたのは彼ら支配勢力)
私たち人間は、人生を自己による意思決定の積み重ねだと考えている。
しかし、殆どの意思決定がアルゴリズムによって行われるようになったら、人生にどんな意味があるだろうか。